わたしはたち。

おやすみ世界

過食嘔吐

 ここは地獄だった。


過食嘔吐は、いくら食べても太らない魔法だった。指を突っ込んで吐き、チューブを突っ込んで吐き、最終的には腹筋に力を入れただけで、食べたものをほぼ全部吐き出せるまでになった。


非嘔吐過食で太った私は、過食嘔吐と絶食でまた痩せ型に戻っていった。

太った太ったと言っても、今思えば別に人生のマックス体重でも50キロに届かない私はそもそもが痩せ型であって、ダイエットも必要なかったのだ。


チューブはすぐに親にバレた。こっぴどく叱られた。正直お金がなかったので捨てられた時はイラッとしたが、腹筋吐きをめちゃくちゃ練習して短時間でバレないように吐くことを極めるようになった。多分努力の矛先がかなり間違っている。


このころ、予備校に通っていた。やりたいことも夢も、過去の精算もできていない私はやっぱりそこでも不登校になった。


偏差値65からの転落。焦って、専門学校を選んだ。


ここまでの間の入院回数は3回。

よくなる気も、治す気もなく、ただ現実から逃げたくて入院を選択していた。

これじゃ金ドブだ。